太湖国で謎の干ばつが続いた
敬天大湖が干上がるほど深刻だった
術士たちは水の気で湖を満たすため
大規模な祭儀を行った
すると天から 大きな雹が降ってきた
その雹の中に 溶けない氷があった
その溶けない氷は 火となり
石となり
水となったあと
また氷に戻ったそうだ
その時に出た黒い粉が
還魂術に使われる追魂香である
追魂香の力は すさまじく
死者の魂を呼んで生き返らせたり
魂を入れ替えることもできた
人の魂を抜いたり 気を奪うこともできた
そして その驚くべき力は 混沌を招いた
追魂香を作り出す氷の石を手に入れるため
術師たちは戦い 太湖国は生き地獄となった
この長い戦いを終わらせ
精進閣を創立したのが ソ・ギョン先生だ
還魂
https://ja.wikipedia.org/wiki/還魂
還魂術
人と人の魂を入れ替える術。本来は、術士としての最高峰、換水ファンスの境地に達したものだけが使える術であったが、追魂香チャホニャンを使えば、換水に到達しない術士も使うことができるため、”邪術”と言われるようになった。
追魂香
氷の石から作られる。その力はすざまじい。死者の魂を生き返らせたり、魂を入れ替えることができる。 これがあれば “還魂術” が使える。
還魂人
還魂術によって、魂を入れ替えられた人間。左胸の上に青い痕が残る。 追魂香を使って還魂された還魂人は、生きるため、人の気を吸わなくてはならない。気を吸われた人間は石になって死ぬ。還魂人もやがては暴走し石になって死ぬ。しかし、氷の石があれば、暴走を止めることができる。
心書
(ソ・ギョン先生の恋文)
水は握れないが 土に秘められている
火は触れないが 木に秘められている
風はつかめないが 岩の上で休んでいる
そのままにしておけば どこにでも存在する
かすかな青い光に ため息が出る
漏れ出た白い息が
雪のように砕け 涙の滴となるゆえ
とても落とせずに 隠したのだ
空けておけば 満たされるのに
愚かで切なくて 1滴の涙すら流せぬ
愚かな私は 1滴の涙すら流せぬ
私が渡したのは
見えてもならないし
伝えてもならない
愚かで哀れな
私の恋文だ